プログラミング教室の導入失敗事例5選と撤退を避ける対策

プログラミング教室の導入失敗とは、開講したものの生徒が集まらない・継続しない・採算が合わないといった理由で早期に撤退・縮小を余儀なくされる状態のことです。 この記事では、学習塾・学童施設が陥りがちな失敗パターン5つと、その原因・対策を解説します。
なぜ「導入したのに失敗した」が起きるのか
プログラミング教室の市場は拡大しています。コエテコ byGMO と船井総合研究所の共同調査(外部サイト・新しいタブで開きます)によれば、2025年の子ども向け情報教育市場は352億円・前年比138.7%で、7年連続の成長です。しかし市場が伸びていることと、自分の教室で採算が合うことは別問題です。
「市場が伸びているから需要がある」「導入すれば生徒は集まる」という前提のまま始めると、以下のパターンに落ちます。撤退した教室数を集計した公的な統計はありませんが、失敗の原因はおおむね導入前の準備段階に埋まっています。
失敗事例① 専門講師を採用したが人件費で赤字に
何が起きたか
「しっかりした指導をしたい」と考え、プログラミング経験のある外部講師を採用。月謝を月1万円に設定したが、生徒10名では講師費用・教材費を賄えず、毎月赤字が続いた。生徒数が20名を超えなければ収支が合わないと判明し、1年で撤退。
なぜ起きたか
講師を1人雇えば、生徒数にかかわらず毎月その金額が出ていきます。FC本部自身がこの重さを前提にしています。 iTeen は自社の収支シミュレーションで、人件費は「売り上げの10%以下が適正値」と書いています(外部サイト・新しいタブで開きます)。月商10万円の立ち上げ期に、この水準で専任講師を雇うことはできません。生徒数の立ち上がりを楽観的に見積もったことが根本原因です。
⚠️講師採用コストの落とし穴
募集条件や勤務形態で金額が変わるため、「採用コストはいくら」と一般化しても意味がありません。 自分が出す求人の条件で計算してください。確認すべきなのは、生徒10名時点で損益分岐点を超えるかどうかの一点です。超えないなら、採用は生徒が集まってからです。
対策
既存スタッフが指導できる教材を選ぶことで、講師採用コストをゼロにできます。
ただし「教えられる人がいない」という不安は根深いものです。教育ネットが東京都の公立小学校教職員148人に行った調査では、次の結果が出ています。
授業を自身で実施することに不安があるかという質問では、「とても不安」が77%、「少し不安」が21%。「あまり不安はない」「まったく不安はない」は2%にとどまり、教職員の98%が不安を感じている。
— リセマム「小学校のプログラミング教育、先生の98%が『授業の実施に不安』」(2019年4月26日)(外部サイト・新しいタブで開きます)
この不安を教材側で吸収できるかが分岐点です。 ビジュアルプログラミングやゲーム型教材(マインクラフト等)は、事前準備が数時間〜数日で済むため、塾講師・学童支援員が兼任指導しやすい構造になっています。
失敗事例② 体験授業で子どもが乗り気にならず入会ゼロ
何が起きたか
フランチャイズのカリキュラムで体験授業を実施したが、「Scratchでキャラクターを動かす」内容が子どもたちに刺さらず、体験参加10名のうち入会はゼロ。翌月の広告費を投じる判断ができず、認知施策を止めてしまった。
なぜ起きたか
子どもが「つまらない」と感じた瞬間に保護者の購買意欲は急落します。特にゲーム慣れしている小学生には、「操作するだけ」の体験では物足りないと感じるケースが多く見られます。また、入会までの時間(体験→説明→申込)が長すぎることも離脱の原因になります。
💡体験授業の「熱量」が入会率を決める
体験授業の申込率(参加→入会)は、教材への熱量に大きく左右されます。マインクラフトのように子どもが元々好きなコンテンツを使うと、授業が終わった後に「また来たい」と自然に言う確率が高まります。
対策
体験授業では「子どもが帰りたくないと思える熱量」を最優先指標にしてください。教材選定の際は、実際の体験授業を複数の教材で試し、終了後の子どもの反応と保護者の表情を比較することが効果的です。
失敗事例③ フランチャイズのロイヤリティで利益が出ない
何が起きたか
加盟金150万円台のフランチャイズに加盟して開業(この水準の本部は実在します(外部サイト・新しいタブで開きます))。生徒20名に成長したが、ロイヤリティ(売上の10%(外部サイト・新しいタブで開きます))と教材費・システム利用料を差し引くと手残りがほぼゼロ。本部の集客支援も期待したが、実際はほとんど機能しなかった。
なぜ起きたか
フランチャイズのロイヤリティは、生徒数が少ない立ち上げ期から永続的にかかります。売上比率型で10%(外部サイト・新しいタブで開きます)なら、月商50万円で毎月5万円、月商100万円で毎月10万円が流出します。20%を取る本部(外部サイト・新しいタブで開きます)ならその倍です。加えて、既存顧客を持つ学習塾はブランド使用料を払う必要性が本来低いにもかかわらず、加盟金という形で先払いしてしまっています。
⚠️中途解約の条件を先に読んでください
公正取引委員会は、本部が加盟希望者に開示すべき事項として「契約の期間並びに契約の更新、解除及び中途解約の条件・手続に関する事項」を挙げ、「フランチャイズ契約を中途解約する場合、実際には高額な違約金を本部に徴収されることについて十分な開示を行っているか、又はそのような違約金は徴収されないかのように開示していないか(外部サイト・新しいタブで開きます)」を問題として指摘しています。
しかもプログラミング教室は、契約前の情報開示を法律で義務づけられていません。 中小小売商業振興法の法定開示書面の対象は小売業・飲食業で、サービス業のフランチャイズは適用対象外(外部サイト・新しいタブで開きます)です。開示されるかは本部の姿勢次第なので、契約前に必ず弁護士または中小企業診断士に確認してください。
対策
すでに地域で認知されている学習塾・学童施設は、ブランド使用料を払う必要がありません。加盟金は0円の本部(外部サイト・新しいタブで開きます)から250万円の本部(外部サイト・新しいタブで開きます)まであるため、「FCはこのくらい」で判断せず、検討先の条件表で計算してください。 内訳はフランチャイズの費用ガイドにまとめています。教材だけを単体導入するモデルは、加盟金・ロイヤリティなしで月次コストを固定でき、生徒数が増えるほど利益率が上がる構造になります。
失敗事例④ 環境構築でつまずいて授業が成立しない
何が起きたか
導入したソフトウェアがiPadでは動作せず、授業開始当日に発覚。代替のデバイスを手配している間に授業をキャンセルしたり、PCとタブレットが混在した教室では一部の生徒だけ進行が止まったりするトラブルが続発。保護者からの不満でクレームが来た。
なぜ起きたか
プログラミング教材の中には、対応デバイス・OSが限定されているものがあります。特にWindowsのみ対応・最新OSが必要・ブラウザの種類に依存するといった条件を、導入前に把握していないと、いざ授業になって動かないという事態が起きます。
✅導入前に必ず確認すべき動作環境チェックリスト
①対応デバイス(PC/iPad/Chromebook)②対応OS・バージョン ③インターネット接続の要否 ④インストール作業の有無と所要時間 ⑤複数台同時接続時の動作確認 ⑥子どものアカウント管理の手間
対策
教材の動作環境を導入前に全デバイスで確認し、授業シミュレーションを実施してください。IPad・Windows PC・Mac が混在している教室では、すべてのデバイスで動作するブラウザ型教材か、マルチデバイス対応が確認できている教材のみを採用することを推奨します。
失敗事例⑤ 生徒が飽きて継続率が低下、口コミが広がらない
何が起きたか
体験授業は好評で月10〜15名が入会したが、3ヶ月後には半数近くが退会。「同じことの繰り返し」「学校の授業みたいでつまらない」という声が退会理由として上がった。新規入会より退会が上回り、半年で生徒数が逆転。
なぜ起きたか
子ども向けプログラミング教育では「継続モチベーション」が最も難しい課題です。教材にゲーム性・達成感・進捗の見える化がないと、3〜4ヶ月目に飽きが来ます。また「友達に自慢できる成果物」がないと、口コミ紹介も生まれません。
対策
継続率を高めるには、①ステージ構造(次のワールドに進みたい)②達成感(作ったものを保存・発表できる)③仲間との協力要素——の3要素が教材に組み込まれていることが重要です。段階的に難易度が上がる設計になっているか、体験授業だけでなく3〜4回目の授業サンプルも確認してから導入を判断することをおすすめします。
失敗しない教材選びの5つの基準
塾向けプログラミング教材の選び方ガイドでは、費用・運営負担・カリキュラムの3軸での詳細な比較を掲載しています。
注意
リスクが高い教材の特徴
- 専門講師が必要で兼任指導できない
- 対応デバイスが限定されている
- 体験授業での子どもの熱量が低い
- カリキュラムが単調で進捗感がない
- 導入サポートが手薄
推奨
失敗しにくい教材の特徴
- 既存スタッフが数時間の準備で指導できる
- PC・iPad・Mac を問わず動作する
- ゲーム性が高く体験授業の入会率が高い
- ワールド・ステージ構造で継続モチベーションがある
- 導入サポート・トラブル対応が充実
まとめ
プログラミング教室の導入失敗は、①講師コストの過大見積もり、②体験授業の熱量不足、③フランチャイズコストの重さ、④環境構築トラブル、⑤継続率の低下——の5パターンに集約されます。いずれも「導入前の検証不足」が根本原因であり、無料トライアルや体験授業の実施、損益シミュレーション、動作環境の事前確認で防ぐことができます。損益の試算はプログラミング教室は儲かるのか、動作環境の確認は教育版マインクラフトの動作環境、環境構築の手順は教育版マインクラフトの始め方、契約前の確認事項は導入前の注意点7つ、実際にトラブルが起きたときは起動しない・ログインできないときが使えます。
CraftPlusは、学習塾・学童施設向けに加盟金・ロイヤリティなしでマインクラフト教育版を使った教材を提供しています。ワールドデータは無料でお試しいただけるため、体験授業の反応を確認してから導入判断が可能です。失敗を防ぐために、まず無料トライアルで子どもたちの熱量を体感してください。
この記事を書いたのは 株式会社セカンドラボ(クラフトプラス編集部)です。
学習塾・学童・学校向けに、教育版マインクラフトを使った学習教材を提供しています。 記事の数字は公的統計・各社の公表資料など一次情報にあたって書き、出典へのリンクを本文に置いています。
※ 本記事の情報は2026年9月時点の内容です。正確性についてはできる限り配慮しておりますが、保証するものではありません。最新情報は各サービス提供元の公式サイトをご確認ください。
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